本体工事について

今回からは、いよいよ建設工事の本体工事についてお話しいたします。

建物を支えていくのは基本的に地盤です。

この地盤の固さによって建物を直接支えることができるか?皆さんがよく言っている岩盤層又は硬質砂質層まで杭を打って(埋設又は築造して)建物を支えるか?あまり重量の重くない建物であれば地盤を改良して重量に耐えられる層を人工的に造るか(地盤改良工事)と云う工事が発生してきます。この工事が杭・地業工事です。

地業工事(各工法)

杭工事には色々な工法がありますが、現場では設計図に従って施行検討をしていきます。既成杭では、プレキャストコンクリート杭・鋼管杭・コンクリート製摩擦杭・鋼製摩擦杭等があります。

最近では、公害等の問題もあり特に市街地では杭を築造する工法として杭を直接打ち込む打設工法は採用されなくなりました。現在の主流な杭築造工法はプレボーリングセメントミルク注入工法が採用されております。

簡単に説明いたしますと、杭を設置する場所にあらかじめ穴をあけておいてそこにセメント溶液を注入し、杭を埋設していく工法(外堀工法・中堀工法がある)や杭を設置する場所の土を周囲に押出してそこにセメント溶液を注入しながら杭を埋設していく工法です。(工事現場で大きなドリルが回転しているのを見たことがあるのでは?)また、杭の耐力を向上させるために杭の先端部でセメント溶液を拡大させる拡大根固工法といわれる工法もあります。

大口径のプレキャストコンクリート杭工法を採用するにあたっては、デメリットとして杭を設置する機械と荷降ろし及び杭を移動するのに大型重機を2台設置する必要があるため、敷地の狭小な現場では計画が非常に困難であることが考えられます。

メリットとしては、設置する杭の数量が多くなればなるほど価格的に抑えることができてコストダウンに繋がります。

一方、現場造成杭(場所家コンクリート杭)ではアースドリル工法・リバースサーキュレーションく工法・ベノト工法・BH工法等があります。

これらの工法は基本的に杭築造の穴を掘削し、鉄筋を挿入してコンクリートを打設するものです。

工法の選択基準

工法の選択基準としては、地層の硬さ、杭口径の大きさ、要求耐力、施工場所の広さ等によって決められます。地盤改良工事としては、軟弱な地盤を補強して地耐力を上げる工法ですので、セメント系改良剤を土に撹拌して硬い地盤を造っていくものと薬液を注入して地耐力向上をさせるもの、又はセメント系固化剤を柱状に作っていく(ソイルコラム工法)もの等があります。工事現場の中では、事前調査を十分したうえでその資料に基づきベストの工法を選択していくわけです。

建設敷地の置かれている以下のような状況によって大きく選択肢が限られてきます。

隣接建物の状況・崖地等の状況・搬出入経路状況・周辺道路状況・敷地面積の状況・地盤固さの状況(地中の石の状況)支持層までの深度・近隣河川や水路の水位状況等、諸々の判断材料が重要です。工事現場の中では、事前調査を十分したうえでその資料に基づきベストの工法を選択していくわけです。

このような事を十分検討して安全に杭工事を進めていくための工事管理を、現場の監督さんが行っているのです。

木村健二(一級建築士)
(建築トラブル解決センター長)